高温、腐食性流体、圧力変動、振動、蒸気滅菌、繰り返し洗浄などの条件では、ろ材だけでなく、支持構造、接続部、溶接部、シールを含むフィルターエレメント全体の仕様確認が必要です。焼結ステンレス鋼メッシュフィルターエレメントは、複数層の金網を焼結接合した剛性のある全金属ろ材で、こうした条件に合わせて設計できます。
焼結構造を採用する理由
複数層の金網を管理された雰囲気、温度、保持時間および荷重条件で焼結すると、線材の接触部が冶金的に結合します。これにより、ろ過層と支持層が一体化し、圧力変動や洗浄時に層がずれるリスクを抑えます。

実際の強度、ろ過性能および許容差圧は、織り方、線径、層構成、外径、長さ、補強、流れ方向、端部構造および溶接条件で決まります。材質名やろ過精度だけで完成品の性能を判断しないでください。
主な用途と確認事項
腐食性流体を扱う化学プロセス
酸、アルカリ、溶剤、塩化物を含む流体では、組成、濃度、温度、圧力、流速、滞留時間および洗浄剤を確認します。316Lが適さない条件では、904L、ハステロイまたはチタンなどを検討します。
高温ガスろ過
連続・間欠使用温度の上限は、完成品構造、合金、シール、媒体、圧力および保持時間に対応する試験根拠で確認してください。全カートリッジ共通の温度定格は示していません。
油圧・機器保護
油圧用途では、必要流量、作動油粘度、通常圧力、圧力変動、許容圧力損失、対象粒子および流れ方向を確認します。許容差圧は完成品仕様と試験条件に基づいて設定します。
医薬・食品プロセス
蒸気滅菌やCIPを伴う用途では、材質、表面状態、接続、シール、洗浄剤、温度、保持時間および必要書類を確認します。洗浄後の再使用は、流量または圧力損失、外観、寸法および必要な捕集性能が受入基準を満たすことを確認して判断します。
材質選定
| 材質グレード | 選定時の主な確認事項 |
|---|---|
| 304 | 一般的な非腐食性流体。塩化物や酸を含む場合は別材質を検討 |
| 316L | 一般的な工業用ろ過。媒体、温度、塩化物濃度を確認 |
| 310S | 高温用途の候補。雰囲気、酸化、構造条件を個別確認 |
| 904L・ハステロイ | 316Lでは不足する腐食条件で、実媒体との適合性を確認 |
| チタン | 塩化物や一部の酸化性環境で候補。濃度と温度を含めて確認 |
洗浄と保守
逆洗、液体洗浄、化学洗浄、超音波洗浄などから、付着物と材質適合性に合う方法を選定します。固定の洗浄回数や寿命を一律に保証することはできません。初期差圧と流量を記録し、洗浄後の回復状態、腐食、変形、溶接部およびシール部を確認してください。
見積もり時に必要な情報
- 流体またはガスの組成、濃度、粘度、温度
- 必要流量、運転圧力、許容圧力損失、流れ方向
- 対象粒子、必要ろ過精度、評価方法
- 外径、長さ、接続、シール、補強およびハウジング図面
- 洗浄方法、必要書類、検査および受入基準
見積もりを依頼する際にこれらの情報をご提示いただければ、用途に適した材質と構成を確認します。